ホワイトクラウドに見る国内クラウドの比較


ソフトバンクテレコムがホワイトクラウドを発表しました。

新サービス名は「ホワイトクラウド」。ソフトバンクグループで固定通信事業を手がけるソフトバンクテレコムが2010年2月から提供を始める。サーバー大手の米ヒューレット・パッカードやストレージ大手の米EMC日本法人などと提携し、サービスに必要なハードウエアを原価に近い価格で調達。実際に使った分に応じて追加料金を払う特別な契約を結び低料金を実現した。

確かにホワイトというのは携帯電話のサービス名でずいぶん浸透していますね。

ソフトバンクはインターネット経由で必要なソフトを活用する「クラウドコンピューティング」事業に本格参入する。メーカーの協力を得てサーバーや外部記憶装置(ストレージ)を安価に調達。サーバーを効率運用できる「仮想化技術」を使うなどして設備投資を抑え、国内最安水準の料金を設定して先行する他社に対抗する。

 新サービス名は「ホワイトクラウド」。ソフトバンクグループで固定通信事業を手がけるソフトバンクテレコムが2010年2月から提供を始める。サーバー大手の米ヒューレット・パッカードやストレージ大手の米EMC日本法人などと提携し、サービスに必要なハードウエアを原価に近い価格で調達。実際に使った分に応じて追加料金を払う特別な契約を結び低料金を実現した。

できるだけ初期投資を抑え、お客様から頂いた料金でベンダー側に料金を支払うというビジネスモデルでしょうか。


最初にスタートするのは仮想マシンHaaSとして貸し出しで、今後SaaSも始めるというロードマップのようです。搭載を想定されているのはSharePoint的な機能とExchangeのようなメール機能といった企業がアウトソースしやすいものが選択されています。

ソフトバンクテレコムは2009年11月18日、仮想マシンを貸し出すサービスを提供すると発表した。本日から受付を開始して、2010年2月に提供を開始する。特徴は低料金なこと。CPU1コア、メモリ1Gバイト、HDD100Gバイト、NIC1ポートの最小構成で月額4500円(税抜き)で利用できる。競合事業者ではNTTコミュニケーションズが最小構成で2万円台の計画(関連記事1)、ITコアが月額1万円のサービスを提供中だ(関連記事2)。

クラウドサービスの比較をしてみました(下記表を参照)

  • 価格
    • 全てが全て公開されているわけではないのですが、ホワイトクラウドの安さは圧倒的です。スペックに差があるのかと思えば、それほど大きな差があるわけでもないようです。最安のITコアのサービスと比べても、さらに半額です。NTTコミュニケーションズと比べても、下手をすると1台x5年のトータルコストで100万円くらい差が出てきます。このサービスによって固定資産と見なされなくなるということも大きいですし、実際に購入して管理をすることを考えれば、TCOが大幅に削減されることでしょう。これを皮切りにソフトバンクは安さを印象付ける価格帯で、市場にイメージを植え付けていくのではないでしょうか。
  • 技術
    • NTTコミュニケーションズはいち早くKVMを採用しているようです。個人的にはvSphereで価格的メリットを出しているITコアは、裏でどうしているのか非常に興味があります。
  • ハードウェア
    • 公開されているものでは、サーバーはHPがホワイトクラウドとITコアで採用されているようです。やはり豊富なラインナップ・データセンターレディ・価格メリットの部分で、採用が進んでいるようです。

ホワイトクラウドの価格であれば、今までクラウドがよく理解できなかった人も試してみるかという形で、呼び水的存在になり、コマーシャル市場におけるクラウド化をけん引していく可能性があると感じます。

最後に、下記は最近のクラウド関係のニュースです。

「ホワイトクラウド シェアードHaaS」および「ホワイトクラウド プライベートHaaS」と呼ぶサービスの受け付けを11月18日から始める。ソフトバンクテレコムが持つネットワークインフラとデータセンターを使い、共有/専用サーバのCPUやメモリ容量などを月額課金で提供する。

 ホワイトクラウド シェアードHaaSで提供する仮想マシンのスペックは1CPU、1Gバイトのメモリ、100GバイトのHDDなど。対応する回線は1Gbpsの共用インターネット。オプションメニューとして、管理ポータル画面やロードバランサの設定、データのバックアップなどを提供する。価格は1仮想マシン当たり月額4725円から。

 ホワイトクラウド プライベートHaaSは、サービスを導入する企業がサーバやストレージ、ネットワークの構成を選び、システム環境を構築できるもの。共用/専用インターネットおよび専用閉域回線経由でサービスを提供。仮想化ソフトのライセンス提供などをオプションメニューとしてそろえる。価格は個別対応。

「ホワイトクラウド シェアードHaaS」「ホワイトクラウド プライベートHaaS」の特長は、以下の通りです。

1. 業界トップレベルの低価格で提供

ソフトバンクグループの調達力、仮想化技術によるハードウェアの効率的な利用、また、オープンソースを用いることで、通信キャリアならではの高品質、高セキュリティサービスを安価な価格設定で実現し、特に「ホワイトクラウド シェアードHaaS」は、月額4,725円/1VM?(税込み)からご提供いたします。

2. ハードウェアの従量制サービスを提供

従来システムを構築する際は最も負荷が高くなるケースを想定し、それに合わせたハードウェアを用意するため、通常利用時の使われていないハードウェアリソースに対して無駄なコストが発生していました。専用ホスティングで提供される「ホワイトクラウド プライベートHaaS」では、負荷状況にあわせたハードウェアリソースが利用できるよう従量制でのサービスを提供し、お客さまのIT投資の最適化を実現いたします。

3. オフバランス化可能なサービスモデルを提供

2008年4月よりリース取引に関する会計基準改正が適用されたことにより、これまでファイナンシャル・リースによって享受可能であったIT資産のオフバランス化が廃止され、IT投資の固定資産化が義務付けされたため、今後は企業の収益をIT資産が圧迫する状況が懸念されます。「ホワイトクラウド プライベートHaaS」では、「基本料+従量課金」の月額料金体系でご提供することで、コストの費用化によるオフバランス化を実現し、IT資産の最適化、初期投資の平準化を支援いたします*。

NTTコミュニケーションズは2009年10月8日、仮想ホスティングサービス「グリーンホスティング ベーシック」とストレージサービス「グリーンストレージ」を発表した。NTTコムVPNサービスまたはインターネットに直結して、通信回線料金込みで提供する。グリーンホスティング ベーシックは10年4月から、グリーンストレージは09年12月から提供を開始する。グリーンホスティング ベーシックは10年3月末まで無償のトライアルを実施する。

 グリーンホスティング ベーシックは仮想マシンを切り出して貸し出すサービスだ。Xeon 1GHz相当のCPU、1Gバイトのメモリー、100Gバイトのストレージで2万円台の料金を予定している。仮想化技術にはLinuxカーネルに統合された仮想化機能「KVM」を採用。オープンソースの活用で低コスト化を図っている。KVMを採用した商用サービスは「世界的に見てもまだ少なく、かなり先行している」(村上守IPテクノロジー部担当部長)という。

 まずは仮想マシン貸しからスタートするが、今後はファイアウオールも提供予定で、負荷分散機能の提供も検討中という。これらは仮想マシン上で動作するソフトウエアとして提供する。このほか、ミドルウエアやアプリケーションの提供も視野に入れているという。

 グリーンストレージはネットワーク経由でファイルサーバーを利用できるサービスだ。月額料金は100Gバイト当たり2万1000円を予定している。「従来の自社サービスに比べると1バイト当たりの単価を数分の1にした」(販売推進部の中山幹公担当部長)。

ITコアは2009年10月1日,冗長構成可能な仮想サーバーを月額1万円から利用できるVPS(Virtual Private Server)サービス「GrowServer2010」を発表した。基盤のPCサーバー/ストレージ群のネットワークを仮想化するなどの工夫で運用管理コストを低減(写真1)。初期費無料で最低契約期間1カ月といったAmazon EC2対抗できる価格設定で,専用サーバーに迫る仕様を実現する。

 GrowServer2010(GS10)では,仮想サーバーとして4モデルを用意する(写真2)。仮想CPU×1,1Gバイト・メモリー,30Gバイト・ストレージの構成となるエントリーのS1モデルは月額1万円(税抜き)。仮想CPU×4,8Gバイト・メモリー・30Gバイト・ストレージの構成となる最上位のS8モデルは月額5万円(税抜き)となる。

 仮想CPUの動作周波数は2GHz以上相当で,ストレージはミラーリングを構成する同容量のバックアップ・ストレージが標準で付属する。インターネット回線は全ユーザーで共用。2重化した1Gビット/秒の回線をサーバー公開用,1Gビット/秒の回線を管理・VPN(オプション)用にそれぞれ用意する。最低契約期間は1カ月で,申し込みから利用可能になるまでの時間は最短2営業日。

 ITコアの山田敏博社長は,GS10の価格競争力を「Amazon EC2とほぼ互角」とする。EC2では有料の負荷分散機能を標準で提供するほか,ネットワークのデータ転送量に対する課金やディスク入出力に対する従量課金がない。「CPUのマルチコア化,メモリーの低価格,InfiniBandによるネットワーク仮想化,および旧サービスでは外部に委託していた運用管理を自社運用に切り替えることで実現できた」という。

 サーバー仮想化ソフトは米VMwareの「VMware vSphere」,ストレージ仮想化ソフトは米DataCore Software Corporationの「SANsymphony/SANmelody」を使う。サーバー機は米Hewlett-Packardのラックマウント型サーバーを採用した。これに米Xsigo SystemsのI/O仮想化アプライアンス「VP780」を組み合わせることで,ラック内配線や仮想インタフェースの構成管理を簡素化している。VP780を使うと,InfiniBandスイッチとして動作し,サーバー機に装着したInfiniBandポートを複数の仮想NICや仮想iSCSIとして扱える。